これまでの歩み

 関西医科大学医学部を卒業後に、第二内科に入局し、京都市立病院内科・麻酔科で1年間研修を積みました。その後、大学院に入学し循環器内科を専攻することを決めました。CCUのメンバーとして急性期医療・心臓カテーテル検査に携わる一方、心血管イベントの予後予測に関心を持ち、臨床研究を開始しました。大学院では心臓突然死に注目し、市民検診のデータから頻度・予後などを研究し博士号を修得しました。その後、国立循環器病センターで心エコー図検査を学ぶために1.5年間国内留学をしました。帰学後、海外留学助成を受け米国 Mayo Clinicに4年間留学しました。臨床研究論文で筆頭著者として9篇の論文を発表しAssistant Professorに推挙されました。留学中は医学統計手法も含め専門家から臨床研究を学ぶ事が出来、今でも私の大きな力となっています。帰学後も大学院生の指導を行い、現在まで5人が博士号を取得しています。

受賞歴・専門医など

The women in Cardiology Travel Grant(American Heart Association)
Young Investigator Award (American College of Cardiology)
第1回女性研究者奨励賞 (日本循環器学会)
大原賞 (関西医科大学)
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本超音波学会認定超音波専門医・指導医
日本心エコー図学会認定専門医
日本周術期経食道心エコー(JB-POT) 認定医
SHD心エコー図認証医

研究活動

 卒後研修を終えてから、心血管疾患の予後予測に関する臨床研究を一貫して行ってきました。国立循環器病センターや米国留学で取得した優れた研究手法、とりわけ集積したデータベースの持つ意味を専門家から学べたことは今でも大きな力となっています。これらを生かし、現在までに心エコー図指標を用いた心血管疾患の予後予測の研究論文を報告しています。日常臨床から湧き出た疑問を一つ一つ解決していくことをモットーにしています。また、国立循環器病センター、Mayo Clinicで指導して頂いた先生方とは今でも交流の機会があり、いろいろな助言や意見交換を行っています。

女性医師が循環器内科で働くことの魅力

 急性期医療が花形となる循環器内科は女性医師から敬遠されがちですが、最近ではカテーテルアブレーションなどの分野でも女性医師が全国的に活躍しています。一方、非観血的検査である心電図、心エコー図検査、心臓核医学・MDCT・心臓MRI検査などを駆使すれば、不整脈・弁膜症・冠動脈疾患など代表的な循環器疾患の成因・治療手段・予後を解き明かすことも可能です。また女性医師が活躍する場は、高齢化とともに問題となる心不全の治療・心臓リハビリテーションの分野でも、女性ならではのきめ細かい配慮が発揮され、活躍の場は限りなく拡がってきています。

女性医師へのメッセージ

 私が入局した頃は女性医師に敬遠されていた循環器内科ですが、最近は女性医師の比率も増加しており、学会などのサポート体制も整ってきていると感じます。本学でも、女性医師が結婚・妊娠・出産後に、子育てをしながら復職しており、相談・支援などは整いつつありますので、一緒に頑張りましょう。