■その他の合併症

① 液漏れ
出口部からの液漏れは、導入早期に多く、皮下組織へのリークは糖尿病、ステロイド内服患者、高齢者に起こりやすい。このようなリスク患者においては、導入時透析液量を少量から漸増していくことが望ましい。

② 横隔膜交通症
発症頻度は1.6%, 男性に多く、8割は右側胸水貯留を来す。手術的に修復可能な例もあるが、50% は再発するといわれており、1割の症例で血液透析に移行している。

横隔膜交通症

③ ヘルニア
陰嚢浮腫は1割に起こる。原因としてはそけいヘルニアによるものが2/3を占め、その他、カテーテル孔からの透析液リーク、体液過剰などがある。


④ 腹膜炎以外の排液混濁

排液の性状 原因
血性の場合 月経、排卵時など(図2)
白く濁っている場合 脂肪分の多い食事によるもの(乳び)
内服薬(Ca拮抗剤)によるもの

表1.腹膜炎以外の排液混濁