胆膵
診療
膵臓では急性膵炎・慢性膵炎・膵癌をはじめとする膵腫瘍、胆道では胆石・胆管炎・胆道腫瘍などを対象に、エビデンスに基づいた先進的な診療を実践しています。日々の診療に加え、厚生労働省の難治性膵疾患調査研究班や多施設共同研究にも積極的に参加し、膵疾患の病態の解明や新しい診断法や治療法の開発にも取り組んでいます。
難病指定されている自己免疫性膵炎については、全国的にも有数の症例数を診療しており、その診断法や治療法に関する臨床研究は他施設からも高く評価されています。他にも致死率の高い重症急性膵炎や腹痛のコントロールに難渋する慢性膵炎に対しても、新しい診断法や治療法を積極的に取り入れ、高度な診療を実践しています。
当科の特徴のひとつとして、胆膵疾患に対する内視鏡的逆行性膵管胆管造影(ERCP)や超音波内視鏡(EUS)を用いた検査・処置の年間実施件数が多いことが挙げられます。ERCPやEUSに関連した検査・処置は高度な技術が求められるとともに他の内視鏡検査処置に比べ合併症が多く、稀に重篤な合併症(急性膵炎、出血、穿孔、胆管炎など)が生じることがありますので、成功率を向上させるとともに合併症を低減させるよう努めています。検査・処置に先立ち十分なインフォームドコンセントを行い、診断および治療方針は、外科とのカンファレンスでよく話し合い決定しています。
研究
自己免疫性膵炎や慢性膵炎の診断基準やガイドラインの作成に参加するとともに自己免疫性膵炎、慢性膵炎の発症機序やこれら疾患からの発癌のメカニズムについて新規性の高い基礎的・臨床的に研究を行っています。また、膵癌の発症・進展おける腸内細菌の関与についても研究を行い、これまでにその成果を学会発表や論文などで報告してきました。ERCP・EUS関連処置の有効性や安全性に関する臨床研究も多数行っており、学会でのシンポジウムなどで発表しています。