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下部消化管

診療

内視鏡検査

年々増加傾向にある大腸腫瘍性病変(ポリープ、癌)や炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)の診断と治療に積極的に取り組んでいます。大腸腫瘍性病変に対して粘膜腺管構造(ピットパターン)の観察により病変の良悪性の鑑別を行うとともに、内視鏡治療の適応となる大腸ポリープ、早期大腸癌にはポリペクトミーや粘膜切除などを行っています。またAIを搭載した内視鏡検査を取り入れ、腫瘍病変の検出を向上させるようにしています。

治療の様子

患者数が増加している潰瘍性大腸炎・クローン病の診療では日本有数の経験数を有し、開院土曜日も含めて専門医が新規治療を取り入れ診療にあたっています。近年潰瘍性大腸炎・クローン病の診療においては単に症状を改善させるだけでなく、腸管炎症を改善・消失させること、さらには患者さんの生活の質や労働生産性を高めることが治療方針を決めていく上で重要になってきています。我々は患者さんの声に耳を傾けるとともに、さまざまな検査法を用いて病気の活動性を評価しています。炎症の評価方法としてはこれまでは大腸内視鏡検査が検査の主流でしたが、最近では血液や便検査による活動性評価も取り入れ、検査法を組み合わせることにより、一見症状が安定している患者さんにおける炎症の評価や長期的に症状が再燃するリスクなどを予測して、診療レベルの向上を目指しています。クローン病では小腸病変を評価することが重要ですが、我々はカプセル小腸内視鏡やバルーン小腸内視鏡など複数の小腸検査を施行できる施設の1つです。

治療については薬物療法や栄養療法をバランスよく取り入れておりますが、治療に難渋する患者さんも近隣の先生方よりご紹介いただくことも多く、このような難治例に対する治療について、生物学的製剤、低分子化合薬、血球成分吸着除去療法を症例に応じて行っています。また将来の治療を開発するための臨床試験、治験も行っており、最新の治療を受けることが可能です。

研究

炎症性腸疾患の病態解明と新規治療法開発を目指した研究

炎症性腸疾患の病態解明と新規治療法開発を目指して研究を行っています。厚生労働科学研究・難治性疾患克服研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」、「炎症性腸疾患の画期的治療法に関する臨床研究」の主任または分担研究者として、診断・治療法のガイドライン作成に関わっています。また治療法の決定に寄与するような臨床研究を多くの施設の先生と一緒に行うとともに、一部の研究は海外の先生とも協力して国際共同臨床試験を行っています。

病態解明と新規治療法開発に関する研究

病態解明と新規治療法開発に関する研究では、重症化や難治化に関わる分子の同定に関する研究、腸内細菌との関連に関する研究、治療法の適正化を目指した薬物動態に関する研究などを行っています。