受診される患者の方へ
我々は患者さんや他医療従事者に対する思いやりの気持ちを持って接することを大切にしています。昨今自分の診療科の臓器疾患以外は診療しない医師が増加しているように見受けられますが、我々は患者さんを「人として診る」医療をめざしています。
その中で我々が特に得意としている領域は以下の通りです。
1、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の診療
当院では最近増加の一途をたどっている潰瘍性大腸炎、クローン病の診療に力をいれており、2020年には難病センターに専門外来を設立しました。妊娠合併例や薬剤副作用例、治療難治例などの他施設では診療困難な症例にも取り組んでいます。近隣施設からのご紹介や患者さん自身の口コミで受診される患者さんは年々増加しております。また若い患者さんも多く平日仕事を休むことのできない患者さんのために、土曜日(第1、3、5週)に専門外来を開設して診療を行っています。
2、早期がんに対する内視鏡治療
上部消化管領域では、食道癌や胃癌のESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)については全国レベルでもハイヴォリュームセンターの1つとして、積極的に治療に取り組んでいます。最近では咽喉頭癌に対する耳鼻科との合同手術ELPS(endoscopic laryngo-pharyngeal surgery)や近年増加傾向である表在型十二指腸上皮性腫瘍に対しても腹腔鏡・内視鏡合同手術(D-LECS) やUnderwater EMR(UEMR)など、病変に応じた治療を行っています。
また大腸ポリープや早期大腸癌に対する粘膜切除術・粘膜下層剥離術、進行大腸癌における化学療法も多くの診療経験を有しています。小腸疾患では消化管出血やクローン病などに対してカプセル内視鏡検査バルーン内視鏡検査を行っており近隣から多くの患者さんを紹介いただいています。
3、食道・胃静脈瘤に対する治療
また慢性肝炎や肝硬変を背景とした食道・胃静脈瘤に対する内視鏡治療(内視鏡的静脈瘤結紮療法(EVL)・内視鏡的静脈瘤硬化療法(EIS))を行っており、全国有数の実績があります。
4、専門性の高い胆膵疾患の診療
胆膵疾患では高齢者に多い総胆管結石の治療では、従来の乳頭切開術に加えて乳頭バルーン拡張術を併用した結石截石術を行っています。また膵癌の早期発見を目指した診療体系の構築や治療方針決定のためのEUS下の穿刺(EUS-FNA)で迅速な病理診断が可能となっています。さらには術後再建腸管を有する患者にバルーン内視鏡ERCP関連治療を多数例行うとともに、最近では胆管挿管困難例、悪性十二指腸閉塞などの症例に対してEUSを用いた胆道ドレナージを積極的に行っています。
5、肝細胞癌や難治性肝疾患に対する診療
肝細胞癌に関しては、造影エコーや、RVS(CT・MRI・超音波診断装置のボリュームデータから作成したMPR画像を リアルタイムで超音波画像と同期させる機能)を使用することで、今まで描出が難しく治療困難であった腫瘤もラジオ波などで治療ができるようになりました。また、最近、有効な分子標的薬も開発され、進行肝細胞癌に積極的に薬物療法をおこなうことで生存期間が延長しています。
自己免疫肝炎・自己免疫性膵炎・原発性胆汁性胆管炎などの難治性肝膵疾患の診療にも精力的に取り組んでいます。さらには近年増加の一途をたどっている非アルコール性脂肪肝に対しても糖尿病内科・管理栄養士など他分野とも連携をとりながら食事指導や生活指導、肝細胞癌のスクリーニング検査などを行っています。