DOCTOR & STAFF
最新の医療で、患者さまに寄り添う胆膵治療
膵臓がんや胆道がん(胆管がん・胆嚢がん・十二指腸乳頭部がんなど)は、診断・治療がとても困難な領域です。一般病院における通常の検査では発見出来ないことも多く、早期発見の難しさが予後不良となる原因の一つであると言われています。そこで、いまだ克服されていない胆膵悪性腫瘍に対して高度で先進的な医療を提供する目的で各科の枠を超えた組織である「胆膵疾患センター」が2020年3月に設立されました。全国的にもこの分野の内科・外科の専門家がそろっている施設は少なく、当センターでは消化器肝臓内科・肝胆膵外科の専門家だけでなく腫瘍内科・放射線科・病理診断科など関連診療科との連携を図りながら、先進的な医療を安全かつ統合的に提供してまいります。
ごあいさつ
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膵臓や胆道の内視鏡診断・治療や外科手術は、近年技術革新はめざましく、日々発展している分野であります。当センターでは、悪性疾患だけでなく、総胆管結石や胆管炎・膵炎といった良性疾患に対しても大学病院ならではの専門的で、高度な最新の医療を提供致します。特に術後再建腸管(胃癌や膵臓癌の手術後)を有する胆膵疾患に対する胆膵内視鏡治療は、内視鏡治療困難例の一つとして常に挙げられますが、当センターではバルーン内視鏡(DBE)や超音波内視鏡(EUS)を用いた最新の内視鏡治療を積極的に行っています。特に、バルーン内視鏡を用いた内視鏡治療(DB-ERCP)は、2006年に当大学で考案し2016年には保険診療として認められた新しい治療法であり、全国でもトップクラスの症例数と成功率を誇っています。他院で治療が困難または不可能と言われた方でも、是非一度ご相談ください。
胆膵疾患センター センター長
島谷 昌明
Masaaki Shimatani
センター長 主な実績とプロフィール
1995年:関西医科大学 医学部 卒業
2004年:関西医科大学 内科学第三講座 助手
2006年:関西医科大学 大学院医学研究科 医学博士取得
2010年:関西医科大学 内科学第三講座 講師
2017年:関西医科大学 枚方病院 消化器肝臓内科 准教授
2020年:関西医科大学 総合医療センター 消化器肝臓内科 教授
所属学会
日本内科学会:認定内科医・指導医、近畿地方会評議員
日本消化器病学会:専門医・指導医、近畿支部評議員・学会評議員
日本消化器内視鏡学会:専門医・指導医、近畿支部評議員・社団評議員
日本胆道学会:指導医、学会評議員
日本膵臓学会:指導医、学会評議員
日本消化管学会:胃腸科専門医・指導医、学会代議員
日本カプセル内視鏡学会:専門医・指導医、学会評議員
日本腹部救急医学会:腹部救急認定医・専門医・教育医、学会評議員
日本がん治療認定医機構:暫定教育医
日本肝臓学会・日本医学教育学会 等
その他
大阪府 難病指定医
特色・方針
胆道がんや膵臓がんに対する実際の診療は、先ず診断から始まり、手術と化学療法 (抗がん剤) を一連の治療で行っていくことが多いため、消化器肝臓内科、肝胆膵外科および関連診療科の密な連携が必要となります。当センターでは消化器肝臓内科、放射線科、病理診断科が中心となって速やかに病気を診断し、消化器肝臓内科・肝胆膵外科・腫瘍内科・放射線治療科および関連診療科で総合的に治療方針を検討します。
胆道・膵臓疾患に対する内視鏡診断・治療法として最も精度の高い方法である内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)を基本として、EUSを用いた検査・各種画像診断を用いて速やかに確定診断を行います。また、閉塞性黄疸に対しては速やかに内視鏡的ドレナージを行い、QOLの改善にも努めます。
手術適応の患者さんには速やかに手術を受けて頂けるようにスケジューリングを行いますが、胆道・膵臓の手術は消化器外科手術の中でも極めて難しく、その手術に熟練している外科医が少ない現状もあります。当院の肝胆膵外科では、肝臓・胆道・膵臓のあらゆる手術を手掛けてきた肝胆膵高度技能指導医が中心となり手術が行われ、術後補助化学療法も行っています。近年はロボット手術など低侵襲な治療にも挑んでいます。さらに、手術適応とならない患者さんには化学療法や放射線療法など総括的な治療を行っています。また、病気や病状によっては新規の治療や新規薬剤の治験なども受けて頂ける可能性があります。
最近注目を集めている手術不能な膵神経内分泌腫瘍に対する核医学治療(ルタテラ治療)は、国内の治療可能な病床数が不足しており、待機期間が長くなっていることが問題となっています。当センターでは、2025年よりルタテラ治療の開始(大阪府内で6施設目)を目指して、着々と準備を進めています。
当センターでは、悪性疾患のみならず胆石症・急性胆管炎・膵炎などの良性疾患に対しても積極的に治療を行っています。消化器肝臓内科では、主に結石除去術やステント留置術など低侵襲な内視鏡治療を第一選択に行っています。また、肝胆膵外科でも、腹腔鏡下胆嚢摘出術など低侵襲な治療を心掛けています。
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主な実績
胆膵疾患における内視鏡検査・治療を専門とし、日々迅速な診断・治療による胆膵疾患の早期発見・治療に努めており、私が赴任して以来、胆膵内視鏡検査・治療件数は3倍以上に増えております。
また、当院の特徴の一つとして、内視鏡検査・治療が困難とされてきた術後再建腸管を有する胆膵疾患に対してダブルバルーン内視鏡を用いた診断・治療が挙げられます。
ダブルバルーン内視鏡を用いた胆膵内視鏡治療(DB-ERCP)は、2006年に我々が考案した新しい治療法で、2016年には保険診療として認められて以来、この治療法は全国的に普及してきましたが、当センターは全国でもトップクラスの症例数と成功率を誇っています。他院で治療が困難または不可能と言われた方でも、是非一度ご相談ください。
【診療実績(2024年度(12月現在))】 | |
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超音波内視鏡検査/治療(胆膵) | 261件 |
内視鏡的膵胆管造影関連手技(ERCP/DB-ERCP) | 621件 |
【診療実績(2023年)】 | |
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超音波内視鏡検査/治療(胆膵) | 167件 |
内視鏡的膵胆管造影関連手技(ERCP/DB-ERCP) | 614件 |
【診療実績(2022年)】 | |
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超音波内視鏡検査/治療(胆膵) | 154件 |
内視鏡的膵胆管造影関連手技(ERCP/DB-ERCP) | 568件 |