従来、注射剤の混合調製については、急な指示変更が多くリアルタイムでの把握が困難なこともあって、多くの医療機関では病棟の看護師等に混注作業が委ねられてきました。関西医大附属病院薬剤部は注射剤の混合調製を薬剤師が全面的に担う体制を確立しています。
また、一般的な中央方式でなく、サテライト薬局方式を採用しました。サテライト薬局方式をとることで、調製作業が分散化し1カ所での処理時間が短縮されることから、オーダ締切時刻をできるだけ実際の投与時刻に近づけて設定することが可能となり、オーダにあたっての医師に対する制約が大幅に緩和できています。また、医師・看護師との距離的に近く、必要に応じて患者の状態を直接確認することも容易で、最新の患者情報をリアルタイムで把握しやすくなり、より安全度の高い混合調製が可能となっています。
各サテライト薬局の受け持ち病棟は、6階サテライトが5階~7階病棟(7看護単位:242床)、9階サテライトが8階~9階病棟(4看護単位:180床)12階サテライトが10階~12階病棟(6看護単位:257床)であり、麻薬を含むすべての注射処方に対応するばかりでなく、受け持ち病棟の入院患者に対する薬剤管理指導および病棟薬剤業務にも対応していることから、薬剤師の視点で電子カルテ上でも把握しきれない最新の患者情報を掌握した上で調製業務に就くことが可能になり、処方内容と現在の患者の病状が合致しているかを深く掘り下げてチェック出来る体制が確立されています。また、病棟で直接接する機会が多いことから、医師、看護師、薬剤師間のコミュニケーションが改善され、特に医師の考えを把握し易くなり、処方過誤の検出精度が一層高まり、チーム医療への窓口としても最適な環境となっています。
手術室では、医療用麻薬、毒薬といった法律に基づいた管理が必要な医薬品をはじめ、様々な医薬品を取り扱っています。
当院では、薬剤師が常駐し、麻酔科医、看護師等の医療スタッフと連携し、手術が円滑に行えるように支援しています。
主に下記のような業務を行っています。
1.麻薬、毒薬等の払い出しと返却(使用量の確認)
2.麻薬、毒薬等の補充、在庫管理
3.無菌環境下での硬膜外麻酔持続ポンプの調製
4.定数配置薬の管理
医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師などの多職種で構成されたチームです。
薬剤師は、専任1名・兼任1名が、感染制御部に所属しています。ICTとして、感染対策委員会や環境ラウンド、感染制御部コア会議に出席し、院内の抗菌薬使用状況の把握を行っています。また、ASTとして、血液培養陽性症例への全例介入や抗MRSA薬のTDM実施により、抗菌薬の適正使用に向けた提案を行っています。さらに、院内で様々な職種に抗菌薬に関連する勉強会を開催し、適切な抗菌薬治療の実施に努めています。
医師、看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師などの専門職で構成された多職種のチームです。NSTでは各専門職の知識・技能を生かし栄養障害の早期発見、早期治療およびより安全で有効な栄養管理の実施をサポートします。
薬剤師は、専任2名がカンファレンス・回診に参加し、主に医薬品適正使用の観点から個々の患者さんに応じた適切な栄養療法の提案を行っています。また、院内の栄養療法のレベルアップを目指し勉強会を定期的に開催しています。
医師、薬剤師・看護師・臨床心理士・ソーシャルワーカーなど各専門分野のスタッフが「緩和ケアチーム」として患者さんやご家族を支援します。中でも薬剤師は疼痛に対する薬物療法をはじめ、せん妄や精神・心理面における薬物療法にも積極的に取り組んでいます。