光免疫療法とは

光免疫療法(ひかりめんえきりょうほう、英:Photoimmunotherapy)とは、光に反応する薬を投与し、薬ががんに十分集まったところでがんに対してレーザー光をあてることで治療する、新しいがん治療法です。日本においては、「切除不能な局所進行又は局所 再発の頭頸部癌」に対する治療として2020年9月に承認され、現在は保険診療として治療を受けることが可能です。
 光免疫療法用の薬は、がん細胞の表面に多く出ている目印(抗原)にくっつくタンパク質(抗体)に、光に反応する物質をつけたものです。この薬を点滴投与すると徐々にがんに集まっていき、1日くらいでがん細胞に薬がたくさんくっつきます。そこにレーザー光を当てると薬が反応し、薬がたくさんくっついたがん細胞は破裂して死滅します。一方で、光免疫療法用の薬がほとんどくっつかない正常細胞は、レーザー光を当ててもダメージを受けません。また光免疫療法用の薬自体は細胞にダメージを与えませんし、使用するレーザー光も人体に害は及ぼさないので、抗がん剤のような治療部位以外での副作用はなく、患者にやさしいがん治療法といえます。

開発者について

小林 久隆

▶  アメリカ国立衛生研究所 (NIH)
 分子イメージング部門
 主任研究員  

▶  関西医科大学 
   附属光免疫医学研究所  所長

アメリカ合衆国で活躍する日本の医師。2022年4月、関西医科大学光免疫医学研究所長に就任した。11年間の臨床経験があり、放射線診断、核医学、消化器内視鏡の専門医でもある。光免疫療法(近赤外光線免疫治療法)の研究開発により、3度のNIH Tech Transfer Awardを受賞。アメリカ国立がん研究所(NCI)では今世紀初の日本人テニュア主任研究員となる。第38回日本核医学賞等受賞。アメリカ化学会の雑誌をはじめ、欧米の7誌で編集委員を、複数の国際学会でプログラム委員を務める​。
アメリカ国立衛生研究所HP
​関西医科大学附属光免疫医学研究所HP

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関西医科大学附属光免疫医学研究所

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