教授挨拶

Greeting

はじめに

教授近藤 英作 Eisaku Kondo

腫瘍病理学部門では広汎なひとの病気の中から、特に近年増加している悪性腫瘍(がん、肉腫、血液腫瘍、脳腫瘍など)の中でとくに難治性として危急の解決課題となっている腫瘍群に焦点を絞りつつ、がん細胞や腫瘍組織の特徴、発生の原因、増殖と浸潤・転移のメカニズムを、その結果である病態とのかかわりを視野に入れて研究を進めています。さらにこれら基礎研究の知見を基盤として、がん患者の皆様への将来的貢献をめざしたペプチドをナノバイオツールとした分子医療の基盤技術の開発も精力的に行っています。これらの研究遂行にあたっては、国内外の大学・研究所・企業との連携、共同研究を行い、病理学のみにとどまらず広く様々な基礎医学、臨床医学の各専門分野の方々との接点を常に保持しつつ進めることに努めています。この様な活動を通じて、21世紀の現代医学に即した基礎と応用にわたる守備範囲の広い総合的な腫瘍病理学研究を展開していきたいと考えています。

 


めざすもの

当部門での現在の研究課題は、がんの性状に関する基礎病理学的研究と、医療技術研究の2つの大きなテーマに分けられますが、いずれも相互にその成果をフィードバックすべく研究の両輪として取り組んでいます。分子病理学的研究では、近年がん治療に用いられている分子標的薬耐性がんの特徴、難治性がんの浸潤・転移の機構などを分子学的・病理組織学的に解析し、臨床に還元できる耐性癌の克服の手がかりを見出していくことを目標としています。
医療技術研究では、オリジナル技術で開発しているバイオツールとしてのペプチドや、基礎研究から見出した新規がん標的分子に対する特異抗体の創成に挑戦し、これらを応用した先進的な診断技術や治療のための基盤技術の開発を目指しており、ペプチドを基盤材料とした、ひとのからだにやさしい新しいがんイメージング技術、再発性微小転移がんの早期検出に関する患者検体を用いた体外診断技術、また分子標的薬の新たな適応がんの探索やペプチドを応用した次世代制がん治療技術の可能性の研究など多彩なアプローチで我が国の次世代がん医療に直接貢献することを目指して日々頑張っています。
 

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