教室のご紹介
教授ご挨拶
関西医科大学は昭和3年に枚方市に開校、昭和7年に附属病院開設と同時に私共耳鼻咽喉科学教室が開講しました。私学としては歴史と伝統に育まれた西日本最大規模の耳鼻咽喉科講座です。関西医科大学は枚方市に新しい病院を建て、平成18年1月より、附属枚方病院と名付け本学の主病院としました。なお従来の守口市にあった附属病院も規模を縮小し、附属滝井病院として存続しています。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科が扱う疾患は感覚器、炎症(感染症)、腫瘍の3つの分野に大別できます。 まず感覚器ですが、視覚を除くほとんどの感覚器、すなわち聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚、知覚を耳鼻咽喉科がその対象としています。人はこれらの感覚を使い他の人とのコミュニケーションをはかり、また味や香りを楽しむなど生活の質(QOL)を高めています。これらの感覚が障害されると難聴、めまい、耳鳴、嗅覚障害、味覚障害、嚥下障害、咽喉頭異常感症などの病気になります。
次に炎症(感染症)ですが、耳、鼻、口腔、咽頭、喉頭、気管、食道は、全て内腔でつながっています。とくに鼻、咽頭、喉頭は上気道として呼吸に直接関与する大切な部分ですが、よく炎症を起こす部分でもあります。耳鼻咽喉科の炎症性疾患としては、急・慢性中耳炎、滲出性中耳炎、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、急・慢性咽喉頭炎、扁桃炎、口内炎、急・慢性喉頭炎などがあり、いずれも発症頻度の高いものです。
また耳鼻咽喉科・頭頸部外科は首から上の脳と目を除いた全ての領域(顔面、鼻・副鼻腔、口腔・咽頭、喉頭、唾液腺、甲状腺、頸部)の腫瘍を扱います。残念なことに社会の高齢化に伴い、悪性腫瘍が増加しています。この領域は顔の形や、QOLに関係する機能と密接に関係があり、したがって腫瘍を切除した後の再建手術が必要となります。代表的な疾患として上顎癌、上咽頭癌、舌癌、口腔底癌、中・下咽頭癌、喉頭癌、耳下腺腫瘍、甲状腺腫瘍などがあります。
この様に私共耳鼻咽喉科・頭頸部外科では人間らしい生活をする上できわめて重要な、また幅の広い領域を対象としております。枚方病院ではそのほとんどの治療を行っていますが、後の「耳鼻科の疾患」のところで、耳、鼻、頭頸部に分けて私共の臨床の特徴を述べてみたいと思います。 私共は最新の医療技術と医療機器をベースにして、「慈しむ心」をもって患者さんに接するように心がけております。この領域でお悩みの方はどうぞ気軽に受診していただければと思います。