10月20日(火)5限に、1年生を対象とした「医療プロフェッショナリズムの実践」にて、「医師のキャリア形成 医師というプロフェッションを目指して、自らキャリアを形成していく力をつけよう」のテーマで、本学臨床病理学講座 大江 知里 講師による講義が行われました。これは、センターの取り組みの一つである「卒前・卒後教育の充実」について、医学教育センターと連携して実施されたものです。
 本学を卒業後、女性医師として、医師の仕事と家庭を両立させながら海外留学を経験し、現在も附属病院病理診断科で活躍されている大江講師から、これからキャリアを形成していく学生の皆さんに実体験を交えながらエールを送られました。ますます活躍の場を広げている大江講師からのアドバイスに、1年生の皆さんは熱心に耳を傾けていました。
 なお、講義終了後に行ったアンケートでは、「生涯を通して医師として働き続けるためにも、キャリア形成において女性を支援する場所が増えると良いと思った」「医師になってからのキャリア形成に関する話を聞くことができる機会を増やしてほしい」といった医師のキャリア開発に期待する多くの声が寄せられました。

担当講師からのコメント
 今回の講義では、キャリア教育の目指すことの理解とともに、卒業後にそれぞれの分野で活躍できる医師になるために、「医学生としてあるべき姿」を考える時間を持ちました。
 講義を受けた学生のレポートから、本格的な医学の勉強が始まる前に医師のキャリア形成の講義を受けたことにより、「知識や技能、英語力など医師として必要不可欠なものを全力で習得しようというモチベーションが上がった」、「人とのつながりを大切にして自分なりに目標を立ててチャレンジし続けていきたい」、「卒業後に様々な可能性を広げるためにも、学生時代から多くの先輩医師の振る舞いを見て、自分の理想とする医師像を考えていきたい」など、医師というプロフェッションを歩み始めているという自覚と向上心を持てたことが感じられ、早期教育の意義を実感することができました。英語力やコミュニケーション・プレゼンテーション能力を磨くことの大切さに気付いた学生も多く、2学年からの講義に将来に役立つプレゼン方法などを取り入れていきたいと、指導する側のモチベーションにも繋がりました。
 女子学生からは、「医師のキャリアと家庭を両立する選択肢があることを知った」、「女性であるためにやりたいことを妥協する必要はなく、仕事とプライベートをいかに両立していくのかを考えることが大切」など、医師としての仕事を全うできるように頑張りたいという心意気がうかがわれました。
 男子学生にとっても、「目標を持って自己研鑽し、専門性の高い医療を習得することの重要性を感じた」、「女性医師が活躍できる環境整備は医師不足の解決のみならず、男性医師の活躍にも繋がる」と本学の女性医師支援の取り組みに理解を示す声も聞かれました。
 本学では、救命救急科や外科系診療科など一般的に女性が選択しにくいと考えられていた進路を選択する若手の女性医師が増え始めていますが、今後は女性が進みにくい診療科という概念を取り払っていくためにも、女性の少ない診療科で働いている女性医師の声を聞く機会を望む意見もありました。
 女性医師の活躍は、男女問わず、医学生が卒業後のキャリアを見据えて有意義な学生生活を過ごす上で励みになるものと思われます。
 今後、オール女性医師キャリアセンターを中心として、医学生、研修医、医師などが集い、様々な交流を行える機会が増えることが期待されます。

*全国医学部長病院長会議で設立された「女性医師の労働・環境問題委員会」が提唱するキャリア教育の目指すこと:①医師として生涯就労を継続する、②医学知識と技能の研鑽に励む、③自己啓発力を形成する、④社会へ還元する意識を持つ、⑤男女平等な社会の実現に努力する、⑥ワークライフバランスを正しく理解することにより医師としてのプロフェッショナリズムを継続する

大江知里 医学部臨床病理学講座/附属病院病理診断科 講師
担当講義:1学年医療プロフェッショナリズムの実践、2学年病因と病態(2021年~)、3学年周産期・生殖器コース、4学年腎尿路コース、5学年臨床実習、6学年選択臨床実習・まとめの講義