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専門領域のご紹介

手の外科

関西医科大学 手外科 診療班

手外科の症例は、個々の発生頻度は、人口当たりからすると少ないのですが、そのカバーする範囲はとても広く、外傷、肘・手関節・手指の変性疾患、先天異常、麻痺手・末梢神経麻など、扱う組織も骨・皮膚・血管・神経・腱・靭帯と多岐に渡ることが特徴です。マイクロサージャリーも含めて、小さな組織(神経、血管、皮膚など)を手際よく処置し、機能性と外観に優れた手術を行います。ある程度、特化されたリハビリテーション(ハンドセラピー)と連携をとって、ゴール設定を早めに行い、治療をすすめていく事が重要な部門であります。
手外科の歴史は、第2次世界大戦の際に、その特殊性から急速に発展しました。関西医科大学では、関節リウマチの滑膜切除の先駆けから、手指の変形治療も積極的に手術が行われてきた経緯があます。このため、現在でも膠原病患者さまが多いのは特徴の一つであると思われます。その他、母指CM関節症、手指の変形、変形性肘関節症の患者さまも毎月数例は紹介いただいております。
我々の専門分野ですが、手外科、四肢の麻痺や重度外傷後の再建をテーマの1つとして行っています。特に生じてしまった関節の拘縮を、創外固定を装着してリハビリを行うsurgical rehabilitationは、国内外へ知見を発表して参りました。また、脳・脊髄に障害をもち、手指の機能障害を生じてしまった患者さまへも、装具や手術で対応いたしております。重度の上肢外傷へ遊離組織移植・皮弁を用いて再建した症例も直近3か月で3例ありました。手関節鏡手術も導入しております。
また毎週、ハンドセラピストの先生方とも早朝勉強会を行っております。

早朝勉強会の風景早朝勉強会の風景

手指PIP関節 若手手外科医師の執刀症例

左;掘削してもらった肋軟骨移植関節面、右;人工指関節、関西医大OB南川モデルself lockingは国内シェアNo1 左;見事に掘削してもらった肋軟骨移植関節面
右;人工指関節 関西医大OB南川モデルself lockingは国内シェアNo1

以下は、創外固定を使用した手指の拘縮・変形のリハビリテーションです。弾性のあるゴムやばねを使用した、創外固定の矯正は、我々が独自に取り入れ、より安全で強力に拘縮が矯正できるよう、工夫を加えてまいりました。

手指PIP関節屈曲拘縮手指PIP関節屈曲拘縮

陳旧性手指PIP関節脱臼骨折陳旧性手指PIP関節脱臼骨折

手術写真

手関節拘縮の創外固定を用いたリハビリテーション手関節拘縮の創外固定を用いたリハビリテーション

手術写真

手術写真

手術写真

重度の外傷や障害を被った手は、まず機能的な良肢位へ形を変えていきます。それからは、関節を柔らかくして、、、最後に、力減となる筋力の評価へと移っていきます。使える手を目指して、ゴール設定をするように努めています。勿論、最初と最後は 創外固定前後からの、スプリント、装具療法が重要です。

レントゲン写真

母指CM関節症の重度Z変形も、1度の手術でかなりの矯正位置が獲得できるようになってきました。

最初と最後はスプリント、装具療法が重要勿論、最初と最後は 下記 スプリント、装具療法が重要です。

少し特殊な治療法を紹介させていただきましたが、手指の小さなしびれや痛みの相談にも、喜んで応じておりますので、お気軽にご相談ください。また、興味のある医師・理学療法士、作業療法士さんの訪問も歓迎いたしております。