4月1日より、2025年度のCST事業が始まり、本学の臨床解剖教育研究センターは6年目を迎えました。
昨年度は合計9講座で研修・研究が実施され、多くの医師の研鑚の機会となりました。また、麻酔科学講座からはJournal of Anesthesiaに原著論文(https://doi.org/10.1007/s00540-024-03434-1)が、耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座からはJOHNSに特集記事(https://doi.org/10.24479/ohns.0000001508)が掲載され、本学のCSTは大きな進展の年となりました。
しかし一方で、昨年12月に社会的問題となった、海外でのCSTにおける美容外科医師の不適切事案により、全国的には強い逆風であると言わざるを得ません。我が国ではこれを重く受け止め、篤志解剖全国連合会、日本篤志献体協会、日本解剖学会の連名で「献体解剖倫理指針」を策定し、すべての医療系学生、医療者を対象としたご遺体の取り扱いについて改めて広く周知を行いました。
我が国で実施されるCSTは全て、篤志によりご献体いただいたご遺体を使用しており、参加者には高い倫理観をもって研修・研究に臨むことが求めらていることは言うまでもありません。本学においても、全ての研修・研究について本学倫理審査センターによる承認、本学臨床解剖教育研究センターによる指導・監督、および日本外科学会CST推進委員会への実施報告を行い、献体登録をされている方はもちろん、一般市民の方々に対しても透明性の高い運営体制をとっております。
本年度も引き続き、本邦の医療社会の発展に更なる貢献ができるよう取り組んでまいります。
関西医科大学 臨床解剖教育研究センター 副センター長
関西医科大学 医学部 解剖学講座 助教
中野 洋輔