研究・教育

本学臨床解剖教育研究センターでは、献体されたご遺体を使用した手術手技研修の他にも、臨床医学分野・基礎医学分野の研究・教育に資する活動を実施しております。


顕微解剖学のためのデジタル教材の導入

 顕微解剖学実習では、組織標本を観察して正常組織の構造について学ぶだけでなく、顕微鏡の正しい使用方法を習得するといった、臨床の現場でも必要となる知識・技能に直結する重要なエッセンスを内包しています。

 このことから、非対面型のオンライン実習による完全な代替は困難ではありますが、その一方で、組織標本の中には倫理的な側面から新規入手が困難なものが存在するという点や、長期利用による劣化が避けられないといった問題もあります。
 また、近年保険適用され臨床の場にも徐々に導入されつつある遠隔病理診断においては、検体の画像化は一般的に行われています。

 本学では、顕微解剖学分野においても教育に資する標本をデジタル化し、オンライン実習に用いることは、対面型・非対面型実習の両方に資するものと考え、オープンソース(Creative Commons Attribution 4.0 International License)の画像共有プラットフォーム「OMERO」を利用したデジタル教材の開発・導入を進めています。

 本学では、講座単体で運用可能な専用のサーバーを構築しています。

【日本語版 / Japanese】 Ver. 1.1

【英語版 / English】 Ver. 1.1


3Dプリンタの研究・教育への応用

 3Dプリンタは近年では医療分野への応用も盛んに行われており、脳神経外科や口腔外科(骨の再建)、心臓血管外科(冠状動静脈の走行)、その他にも多くの外科系領域で術前のシミュレーションに役立てられています。また、特殊な樹脂で出力した臓器モデルは、若手医師の基礎的な手術手技の訓練にも使われています。

 本学においても、2016年度に導入されて以来、研究・教育の様々な用途で3Dプリンタを活用しています。