専門研修プログラム詳細(特徴、目標、サブスペシャルティ)
関西医科大学救急科専門研修プログラムの特徴
本プログラムの特徴は、救急科研修の主要な要素である高度医療、病院前診療、地域医療が、いずれのコースを選択してもバランスよく研修できる点にあります。また、その延長線上にある外傷診療、集中治療、病院前体制の調整と制御、ER運用管理、災害医療などのエキスパートへの道を視野に入れて、学問的研究活動や、教育・指導力の素地・素養も身につけることができる環境を整備した専門研修プログラムとなっています。このような効果的な救急科専門医育成によって、国民の健康・安全・安心に寄与することが本研修プログラムの基本理念となっています。
プログラムの目標
医の倫理に基づき、傷病の種類にかかわらず急性期にある症例を救急搬送例を中心にして速やかに受け入れて初期診療にあたり、必要に応じて他科専門医との連携・チーム診療を行い、地域全体の救急医療の中核を担うことによって、地域住民に対して安全と安心を提供できることが、本プログラムの思い描く救急科専門医の使命です。本プログラムの専門研修を通じて、このような社会的責務を果たす力を身につけていただきたいと考えています。
研修内容
原則として研修期間は3年間です。研修領域ごとの研修期間は、コース選択によって異なります。原則的な組み立ては、以下の通りです。基幹研修施設または連携Aでのクリティカルケア、初療、MC研修が計1年6ヵ月から1年9ヵ月、関連施設でのER・地域医療研修が3ヵ月から6ヵ月、そして希望に応じて外傷外科(連携B)、僻地を含む地域医療(連携C)研修や、あるいは基幹施設・連携施設Aでの症例経験の積み重ねをさらに1年間とします。
プログラムで得られるもの
本研修プログラムによる専門研修は、救急科領域研修カリキュラム(付属資料)に準拠し行われます。これらの技能は、独立して実施できるものと、指導医のもとで実施できるものに分けられ、広く修得する必要があります。本プログラムに沿った専門研修によって専門的知識、専門的技能、学問的姿勢の修得に加えて医師としての倫理性・社会性(コアコンピテンシー)を修得することが可能であり,以下の能力を備えることができます。
- 専門的診療能力習得後の成果
- 様々な傷病、緊急度の救急患者に、適切な初期診療を行える。
- 複数患者の初期診療に同時に対応でき、優先度を判断できる。
- 重症患者への集中治療が行える。
- 他の診療科や医療職種と連携・協力し良好なコミュニケーションのもとで診療 を進めることができる。
- 必要に応じて病院前診療を行える。
- 病院前救護のメディカルコントロールが行える。
- 災害医療において指導的立場を発揮できる。
- 救急診療に関する教育指導が行える。
- 救急診療の科学的評価や検証が行える。
- 基本的診療能力(コアコンピテンシー)習得の成果
- 患者への接し方に配慮し、患者やメディカルスタッフとのコミュニケーション 能力を身につける。
- プロフェッショナリズムに基づき最新の標準的知識や技能を継続して修得し能 力を維持できる。
- 診療記録の的確な記載ができる。
- 医の倫理、医療安全等に配慮し、患者中心の医療を実践できる。
- 臨床から学ぶことを通して基礎医学・臨床医学の知識や技術を修得する。
- チーム医療の一員として行動できる。
- 後輩医師やメディカルスタッフに教育・指導を行う。
専門医取得後の進路、サブスペシャルティ
本専門研修プログラムによる救急科専門医取得後には、サブスペシャルティ領域である集中治療専門医、感染症専門医、熱傷専門医、外傷専門医、脳卒中専門医、消化器内視鏡専門医、日本脳神経血管内治療学会専門医の研修プログラムに進んだり、救急科関連領域の医療技術向上および専門医取得を目指す臨床研修や、リサーチマインドの醸成および医学博士号取得を目指す研究活動を選択したりすることが可能です。
その他、標準的な研修中の週間予定表や学習方法、研修の評価方法・項目、実習施設などの詳細は、こちらのPDF資料でご確認ください。
PDF資料