業績
市橋教授と仲里助教の論文「腸骨大腿靱帯の弛緩性が歩行中の股関節接触力に及ぼす影響」が、Journal of Biomechanicsに採択されました
Influence of Iliofemoral Ligament Laxity on Hip Joint Contact Forces During Gait
Mizutani S, Yamagata M, Nakazato K, Yu Z, Ichihashi N, Tateuchi H
Journal of Biomechanics
【研究の概要】
腸骨大腿靭帯は股関節の安定性に重要であり、その弛緩は股関節の不安定性の一因と考えられています。本研究の目的は、腸骨大腿靭帯の弛緩が歩行時の力学的負荷(関節間力および筋張力)に及ぼす影響を検討することでした。健常若年者22名を対象とし、データ収集が完了した21名を解析対象としました。筋骨格モデルを使用して、腸骨大腿靭帯が正常なモデル、弛緩したモデルを作成し、両者の歩行立脚期の股関節間力と筋張力を比較しました。その結果、腸骨大腿靭帯の弛緩によって、前方の股関節間力の有意な増加、内側の股関節間力の有意な減少が認められました。さらに、股関節屈曲筋群、股関節外転筋の中部線維において、有意な筋張力増加が観察されました。これらの結果は、腸骨大腿靭帯の弛緩が、股関節前方組織の負荷増大や、求心力低下を誘発する可能性、ならびに腸骨大腿靭帯の弛緩を代償するための過剰な筋張力が筋系の障害に関与する可能性を示唆しています。