注排液不良
■ 注排液不良
通常は、注液は10分、排液は20分程度で終了します。何らかの原因で注排液ができない、時間がかかる場合があります。まずは手技的な問題、たとえばカテーテルやチューブの屈曲、ねじれ、クランプが閉じているストッパーの折り忘れがないか確認し、原因がわからない場合あるいは痛みなどを伴うときは、すぐに病院に連絡しましょう。
【原因】
① カテーテルの閉塞 腹腔内フィブリン、凝血塊、大網巻絡
女性の場合は、卵管采による捕獲による可能性を考える。
② カテーテルの位置異常
③ 消化管、膀胱によるカテーテルの圧迫(便秘など)
④ 全身状態(高血糖、脱水、低蛋白血症)
【症状】
① 注液ができない、時間がかかる
② 排液ができない、時間がかかる
③ 透析不足(排液不良による)
【治療】
① カテーテルの閉塞
・注液バックの加圧、広げてみる
・チューブ内のミルキング
・シリンジによるフラッシング、生理食塩水でカテーテルの洗浄
ただしシリンジで強く陰圧をかけると腹膜・大網がチューブ孔に嵌頓してしまう危険があり避けるべき。
・バック内ヘパリン注入 フィブリン様浮遊物の減少を期待
・チューブ交換
② カテーテルの位置異常
通常カテーテル先端は直腸膀胱窩(あるいはダグラス窩)にありますが、ときに頭側に跳ね上がるように変位する場合があります。 自然に修復することが多い。
・X線撮影、造影
・体位交換
・運動
・改善ない場合、再挿入術 あるいは固定術
③ 腸管に関連
・便秘是正⇒緩下剤投与(リンやマグネシウムを含むものは避ける)、浣腸
④ 全身状態によるもの
・血糖のコントロール、食事療法、補液など