関西医科大学総合医療センター薬剤部には、主に7つの業務があります。
外来は院内調剤を行っており、入院処方も含め、全てに薬剤の写真・効果・副作用などを記載した説明書を添付しています。電子カルテと連動した処方鑑査システムを構築し、禁忌や重複薬品もチェックできるようにしており、安全な薬物療法をサポートしています。また、処方箋に検査値やミニ薬歴を印字することで、用量、休薬期間、投与期間の確認等を効率よく行うことができます。
入院・外来の一般注射剤、抗悪性腫瘍薬も含めた調剤を行っています。注射薬自動払出装置(ピッキングマシン)を導入しており、患者さんごとに、1施用分ずつ注射薬とバーコードのついたラベルがセットされる仕組みになっています。病棟での薬剤の取り揃え業務負担や取り間違いの軽減に貢献しています。
抗悪性腫瘍薬は、外来・入院ともに、登録されたレジメンに限り、システムを利用したオーダが可能です。休日も含めて、薬剤師が安全キャビネット内で調製を行っており、調製から廃棄に至るまで曝露対策にも努めています。
高カロリー栄養輸液は、クリーンベンチで無菌調製を実施しており、可能な限り調製対象とすることで、病棟の業務負担軽減に配慮しています。
薬務科は、薬品の円滑な安定供給と品質管理を行う業務です。
薬を安全に使用するためにも、適正な薬品の管理は重要です。薬品情報科と連携し、保険薬事委員会で決定される新規採用薬品や削除薬品への対応、後発医薬品への切り換え等も行っています。
また、医薬品SPDの協力のもと、発注・入庫・払出等の管理や棚卸業務、在庫金額の確認等も行っています。また使用期限調査や薬品用冷蔵庫の温度チェックを行い、品質管理に努めています。
薬品情報科では、薬に関する様々な情報を収集・管理、評価して、医師・看護師をはじめとした院内のスタッフに情報提供し、質問にも対応しています。
PMDAのサイトに公開されているRMP(医薬品リスク管理計画)や、新規薬価収載薬についての情報も積極的に収集し、最新の薬物治療が有効かつ安全に行われ、患者さんが安心して薬を使用できるように配慮して、院内スタッフに情報を周知するよう努めています。
薬剤師が常駐し、麻薬・毒薬等の管理を行っています。
必要時にすぐに持ち出せるように、アナフィラキシー発生時等の緊急時のお薬も、セットにして準備しています。
また実際に使用した薬品と麻酔記録とを照合し、法律上管理が必要な薬品や、危険な薬品の確認を行うことにより、事故等を未然に防いでいます。
市販の医薬品だけでは対応が困難な場合に、使用の妥当性を倫理性の面からも検討し、協議の上、必要な薬剤を薬剤師が特別に調製しています。
入院患者さん個々に、担当薬剤師制を採用しています。臨床センスを培った臨床薬剤師が単なる服薬指導に留まらず、入院までの薬物療法(薬歴)や病歴を確認した上で、日々の患者さんの思いや病状の変化も踏まえて薬学的観点からの情報を、患者さんも含めた医療チーム内で共有することで、最適な医療が提供できるよう努力しています。