周術期の病態に関与するmicroRNAの研究

ヒトの30億個の延期配列全てを解析するヒトゲノムプロジェクトの結果、ゲノムのうち遺伝子としてタンパク質をつくるコード領域は僅か2-3%で、大部分はタンパク質を作らない非コード領域である事が分かりました。

近年、細胞内RNAの網羅的解析が行われ、非コード領域からも大量のRNAが生成されている事が明らかになりました。このタンパク質をコードしないRNAはノンコーデイングRNAと呼ばれ、高等生物の複雑性の秘密を握る鍵とされています。その中でも、21-24塩基程度のmicroRNAが遺伝子の発現・タンパク質の合成に干渉し、種々の病態に深く関与する事が報告されています。(図1)

microRNA1

 

私たちは、周術期に発生する病態において、特異的に発現するmicroRNAを同定し、その機能を明らかにすることにより、今までのセントラルドグマの概念だけでは説明出来なかった種々の病態の解明を目指しています。(図2)

microRNA2