疾患紹介04
頭頸部領域の疾患と特殊外来の紹介
<はじめに -Personalized and Coordinated Care ≒ Highest Quality Care for Head and Neck Tumor-
当科は関西で有数の頭頸部悪性腫瘍の治療実績を持ち(2013年度関西地域で2番目の症例数)、腫瘍性病変以外にも深頸部感染症などの重症感染症の症例も多く扱っています。
どの領域でも治療の標準化としてエビデンスあるいはガイドラインなどの言葉で強調されています。当科ではそれらの標準的治療を踏まえた上で、医師―患者―メディカルスタッフすべてが同じ視線で治療に臨むことをモットーとしています。
頭頚部腫瘍について
頭頸部とは、大雑把に言えば、脳、脊髄、眼を除いた頭蓋および顔面から頸部にかけての領域を表します。頭頸部腫瘍とは、この領域に発生した腫瘍で、良性と悪性があります。頭頸部腫瘍の治療の際の問題点は、この領域の以下の3つに特徴が関係します。
- 五感(視、嗅、味、聴、触)に関係する臓器が密集している。
- 呼吸、嚥下、発声をつかさどる臓器が存在する。
- 大部分が衣服に覆われない。
よって、治療に際しては、いかにしてこれらの感覚および機能を温存し、整容面への影響も小さくするかが課題となる。つまり治療効果とQOL(生活の質)の担保とのバランスに注意を払う必要があり、標準的治療に加えて、同じ部位の腫瘍でも個々のニーズに合わせたテーラーメイドな治療を考える必要があります。
頭頸部腫瘍の種類(説明はリンクへ)
- 側頭骨腫瘍(外耳癌、中耳癌など)
- 鼻副鼻腔腫瘍(上顎癌、嗅神経芽細胞腫など)
- 口腔腫瘍(舌癌、口腔底癌など)
- 咽頭腫瘍(上・中・下咽頭癌など)
- 喉頭腫瘍(喉頭癌など)
- 唾液腺腫瘍(耳下腺・顎下腺腫瘍および癌など)
- 甲状腺腫瘍(甲状腺癌など)
- その他の頸部腫瘍(神経鞘腫、側頸嚢胞、正中頸嚢胞など)
治療を主体的に選択するための支援
まずは、診断が的確であることが重要であるため、一人の医師の判断だけでなく常にチームで診断および治療の計画を立案し、情報共有しています。その上で患者が病状を正しく理解し、できる限りご家族にも共有していただき、納得できる選択をできるよう努めています。そのため医師のみでなく、看護師を含めた様々なメディカルスタッフが情報共有しサポートを行います。
スタッフ
医師
八木 正夫 気管食道科学会専門医
藤澤 琢郎 頭頸部癌専門医
宮本 真 気管食道科学会専門医
鈴木 健介 頭頸部癌専門医
言語聴覚士
宮田 恵里
上記以外にも、治療においては放射線科医、形成外科医、消化器外科医、緩和ケア医、精神神経科医、当科の若手医師、外来・病棟看護師、薬剤師ら様々な職種のスタッフで構成されます。
疾患と専門外来のご紹介
当講座が手がける各種疾患と、専門外来の内容をご紹介いたします。