小児における分離肺換気

はじめに

小児で分離肺換気を必要とする疾患は限られるが,近年は胸腔鏡手術の増加と共に新生児や小児でも分離肺換気を求められる機会が増えている.

小児における分離肺換気の方法

小児は気管の径が細いため,ダブルルーメンチューブ(DLT)が使用できないことが多い.現在市販されている最も細いDLTはRusch社製の26Frである.8〜10歳を越えてくるとこういったDLTを用いた分離肺換気も可能であるが,26Frが使用できない体格の小児の場合には気管支ブロッカー(BB)を用いるか,シングルルーメンチューブ(SLT)を片側挿管して分離肺換気を行うか,のいずれかの方法しかない.
従って一般的な小児の分離肺換気の方法はBBを使用しや方法と言うことになるだろう.気管支ブロッカー(BB)による分離肺換気の項で述べたが,小児に使用できるBBはCOOK社が扱っているArndtブロッカーの5Frと7Fr及び富士システムのTCBブロッカーの5Frである.これらが入手できない場合には過去に用いられた様々な代用品を使用することになるが,いずれの専用品に劣るため緊急時以外はこれらのBBを取り寄せて使用するのが良いと思われる.
また,新生児などでBBも扱いが難しい場合にはシングルルーメンチューブ(SLT)による分離肺換気を行うことになる.右の片側挿管の場合にはMurphy孔の開いたチューブがあればその方がベターである.
詳細に関しては各項目を参照して頂きたい.