関西医科大学附属病院

1.当科の診療の対象

麻酔科では年間7,000件を超える手術麻酔管理を行い、さらに重症患者の診療を行う集中治療部門や癌を含む痛みに対応する緩和ケアを診療の柱としています。麻酔管理においてはとても小さなお子様から年代を問わず、また、無痛分娩、移植医療や多くの緊急手術に対しても24時間幅広い対応を行っています。

2.診療に関する当科の基本方針や特色

当科では安全・安心な麻酔の提供を目的に、手術前に外来でわかりやすいビデオを用いて麻酔を紹介し、麻酔に関する説明を行っています。さらに、手術前日には担当医が病床を訪問して質問に答えています。手術室では各患者の麻酔や手術についての確認作業を行っており、より安全な医療の提供を目指しています。集中治療部門では手術後だけでなく、突然容態が悪くなった方の治療を積極的に行っています。人工呼吸器や透析装置も駆使して、必要な方にはいつでも適切な治療を提供することができるようにしています。緩和ケアでは外科や精神神経科とチームを作り、麻酔科の専門である痛みの治療を中心に行っています。

3.当科へよくある質問とその答え

麻酔から醒めますか?

現在の麻酔の薬は投与を中止すると短い時間で体から代謝・排泄されるため、短い時間で目が覚めます。安心して麻酔を受けて頂けます。

小児で麻酔によって頭が悪くなりませんか?

このような疑問をもたれている方がおられるかもしれません。しかし、麻酔の薬の作用は一時的であり、お子様の発達・知能の発育に影響することはないと考えられています。

手術の途中で目が覚めることはありませんか

手術中は麻酔の薬を持続して投与していますので手術の途中で目が覚めることはまずありません。麻酔の薬の効果は手術中にモニターで監視することができます。このため、手術の途中で目が覚めることがないように十分注意をして麻酔に取り組んでいますので安心してください。

手術後痛くありませんか?

手術中は鎮痛薬(痛み止めの薬)を麻酔薬とともに投与して、痛みを記憶しないようにしています。術後痛みが大きいと予想される手術では、術後も硬膜外チューブや静脈から鎮痛薬を投与します。時には神経ブロックをして痛みを伝える神経を麻痺させて痛みを取っています。

4.患者さんへのメッセージ

麻酔のことはよくわからないとおっしゃられる方や不安が大きい方もおられると思います。すべての方々に私たちは日々安全な医療の提供ができるように取り組んでいます。外来の段階で術前クリニックを訪問して頂きます。また、入院後、手術前日に担当医が病床へ再度行きます。疑問点があればいつでも質問して下さい。麻酔には手術が無事に終わりますように身体を守る役割があります。どうぞ安心して麻酔を受けて頂ければと思います。