緩和ケア

がん治療の進歩にもかかわらず、今でも多くの患者さんがその症状に苦しんでいます。これまでのわが国のがん医療では、治癒率の向上にもっぱら注力してきたと言えます。このため、結果的に「緩和ケア」の考え方が非常に遅れています。緩和ケアとは、治癒を目的とした治療とは異なる積極的で全人的なケアで、痛み、その他の症状コントロール、心理面、社会面、精神面のケアを最優先課題としますが、早期のがんにおいても、がん治療の過程においても適用されるべきです。麻酔科は緩和ケアチームの中心として活動し、単に身体症状のコントロールだけでなく、こころのケアや社会的なサポートも同時に行い、患者さんのQOL(Quality of life)を総合的に高めることを目的として積極的に活動を行っています。