Dear Clinical Interns

診察で難病診断に臨む!
脳神経内科医は医療界のシャーロック・ホームズだ!!

人間において『脳神経』は、記憶、思考、感情などの精神運動をつかさどり、身体の動き、感覚やバランス、内臓などへの無意識下でのはたらき等、全身のあらゆる機能に関係しています。脳神経を診療対象とする脳神経内科は、全身を診る内科とも言えます。
丁寧な病歴聴取ときめ細やかな神経学的診察によって自ら情報を収集し、これらを手がかりに診断を絞り込んでいく過程はシャーロック・ホームズの推理術に通じるものがあります。

当科での研修実習は 臨床現場を重視しており、問診、一般内科学的診察、神経学的診察を経て診断に至る考え方の習得を目指しています。
若いスタッフが多いため、和気あいあいとした雰囲気で研修ができます。
脳神経内科が扱う疾患は急性疾患から慢性疾患まで広範囲に及びます。当科は大学の附属病院ですが、脳血管内治療を含む脳卒中診療、神経変性疾患、神経免疫疾患など、あらゆる分野を網羅する診療を行っている全国でも有数の講座です。そのため、先生方の希望に沿った研修が可能であり、個人の希望・熱意により国内・国外留学も可能です。

脳神経内科という分野は難しいという印象を持たれるかもしれませんが、将来の進路について迷っている学生の皆様は、まずは脳神経内科で研修することをお薦めします。検査に頼らならい診療プロセス、急性期から慢性期まで幅広い疾患を扱う経験は、医師として大きな糧となります。また、脳神経内科は他のあらゆる診療科と関連することが多いため、多くの先生方にとって有意義な実習になると信じています。

脳神経内科で扱う疾患

脳神経内科は、脳、脊髄、末梢神経、筋肉の機能的、器質的障害を対象とする診療科です。
脳神経内科が扱う疾患としては頭痛・めまい・しびれなどのcommon diseaseから血管障害(脳卒中など)、認知症(アルツハイマー病など)、てんかん、頭痛、変性疾患(パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症など)、免疫疾患(重症筋無力症、多発性硬化症、ギランバレー症候群など)、神経感染症(髄膜炎、クロイツフェルトヤコブ病など)、末梢神経疾患(多発神経炎、単神経炎など)、筋疾患(筋ジストロフィー、多発筋炎など)など多彩です。
専門的な神経学的診察や画像検査、神経伝導検査、筋電図、脳脊髄液検査、脳波などを組み合わせて診断し、適切な治療を考えていきます。
脳神経内科は脳卒中や意識障害など、救急の場でも必須の診療科であり、救急医学科や脳神経外科、リハビリテーション科などの他診療科と連携し診療にあたっています。また、地域医療機関も含めたチーム医療を重視しています。

実習の概要

実習生には、担当患者さんをそれぞれ一人割り振ります。担当患者さんの病歴聴取と神経診察を行い、臨床診断を行ってもらいます。また実習最終日までに担当患者さんについて指定のPower Pointの様式に則って、実習のまとめを作成し提出してもらいます。担当患者さんの割り振りや実習のまとめ作成に関しては、直接指導医に相談する様にしてください。
まとめを作成する際は、カルテ記載の内容を引用するのではなく、自身で聴取した病歴や、神経学的所見を記載する様にしましょう。聴取した病歴、神経学的所見から患者さんのproblem listを作成し、臨床診断を3段階診断法で行います。(下のファイルを参考にしてください)臨床診断をもとに鑑別に必要な検査や治療法を考え、理解を深める様に心がけましょう。患者さんにはできるだけ毎日会いに行き、日々の経過や治療効果を把握するよう心がけましょう。何か気になる点があれば、積極的に指導医に質問をしましょう。
木曜午後のカンファレンスの際に、担当患者さんの治療経過についてショートプレゼンテーションを行ってもらいます。プレゼンテーションでは患者さんの経過について要点をまとめ、できるだけ簡潔に発表することが求められます。プレゼンテーション内容は事前に指導医に相談をしましょう。
希望があれば、神経救急疾患の対応についても見学が可能です。希望がある場合は指導医に相談してみてください。

3段階診断法について

神経診察のポイント

神経診察は国家試験にも出題があり、予習をしっかりして実習に臨むことでより知識を定着させることができます。
また、予習をどれくらいやったかで実習の充実度が変わってくるのでしっかりと勉強しておいて下さい。

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